お面お祭りの風景

粟田部の秋祭りには昔から、たくさんの屋台が並びます。近隣でこれほどのところはないようです。以前からみると相当減ってきたようですが、それでも大変な賑わいです。ちょっとご案内します。

変わったことと言えば、最近ではお好み焼きなどの食べるお店がほとんどになりました。お好み焼き、焼き饅頭、たこ焼き、カステラ、甘栗などは定番ですね。射的、輪投げ、スマートボールなども、やはり根強い人気があります。ひととき、外人の方のお店が目立った時がありましたが、今はないようです。屋台に働く若い方達を多く見かけ、とても明るい感じがします。

屋台の並ぶ大門通りは今年きれいな石畳に整備され、今回の祭りが初お披露目になります。正面に見える赤鳥居をくぐり岡太神社へ参拝します。夜は身動きがとれない程の人出となり、これは2日間続きます。この時期、急に寒くなりますから拝殿の横では焚き火がたかれます。その火の粉と屋台、遊ぶ人影が祭りらしさだと勝手に思い込んだりしてきました。

昔は対話型が多かったようです。子供の頃は、香具師(やし)と呼ばれている人達の名人芸?が見れました。例えばレントゲンの箱なんかほんとうにだまされましたが、思い出しても腹が立たないどころか、懐かしささえ憶えます。手を空に上げ、その箱を通して見ると骨が見えるというもので、今日だけの特別販売などと。500円だったかあわてて家へ。親はただ笑ってお金を渡してくれました。どうして骨に見えるのかは、ご存知ですよね。

あと袋に入れた毒蛇を前に、塗り薬の販売もありました。自分の腕を蛇に噛ませて薬を塗るというものでしたが、たくさんの大人や子供が丸い円を作る中、延々と話続けるのですが、袋からほんとうに蛇は出たんでしょうか?今か今かとあまりに長く、待ちくたびれて最後まで見たことがありません。

そうそう、卵焼きが2倍の大きさになる、なんてのもありました。何か黄色い粉を溶かして卵と混ぜ合わすのだったか、目の前で焼いてみせ試食もさせるんです。おばさん達が争って買っていたような。なんか今でもスーパーなどでこの芸は生きているようです。

そういった名人?達の姿は無くなりましたが、お面の店はありました。あまり人だかりはありませんが、昔を思い出させてくれる貴重なお店だと眺めています。何のお面かは思い出せないのですが、確かに頭にかぶって同じこの道を歩いた記憶が、手を引いてくれていたのは誰だったんだろう。お祭りの風景、いつまでも続いて欲しいですね。 '04 10/13

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