義経殿ご覧あれ、那須与一(なすのよいち)渾身の矢を


こころのうちに祈念して、目を見ひらいたれば、風もすこし吹きよわり、
扇も射よげにぞなったりける。与一鏑(かぶら)をとってつがひ、
よっぴいてひょうどはなつ。・・・扇は・・・春風に
一もみ二もみもまれて海へさっとぞ散ったりける。

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