« 桜前線の声も | メイン | 神風が吹いたそう »

2006年03月17日

だんごまき

dango.jpg

 小さい頃の、だんごまきには楽しい思い出がある。あちこちのお寺へハシゴをしたものだ。その頃、子供の遊ぶ世界に親はいなかった。はしかい子がたくさんダンゴを拾っても、それは当たり前であって、そこには何の妬みもない。私はそういった時、どうも人を押しのけることができないようで、一つ二つの団子を持って喜んでいたような記憶がする。

 この団子は釈迦団子と言うそうであるから、ご利益があるのだろう。浮世離れした原色は今見ても、目に鮮やかである。この団子には使われていないかも知れないが、一段と鮮やかな色は群青と朱赤であり、この色には独特の華やかさがある。

 餅撒きやだんご撒きなど、最近ではビニールなどの袋に入れて、撒くというより配ることもあるそうだ。衛生上の観点からだろうが、拾ったもちの土を払ったり、畳の上に直に撒かれただんごを拾うのは情緒があったように思う。人は食べるということでは動物と何ら変わることがないのだから、必要以上の潔癖さは人間をどんどん弱くしていくような気がする。きれい過ぎても何となく無菌室にいるようで野生が失われていくのではないだろうか。只、昔と違って、井戸水も水質検査をしたほうがよいという時代だから、同じ土俵で語れなくなってはいる。

 今の世の中でも、子供達は争ってだんごを拾うのだろうか。もっとおいしいものはいくらもあるし、いい子にさえしていれば何でも手に入りそうである。子供という前に親の厳しい目が公平を求める中、何事も難しい時代になっていそうで、一度覗いてみたいとは思う、だんご撒き。

投稿者 sensyu : 2006年03月17日 00:19

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.awatabe.com/blog/mt-tb.cgi/80

コメント