2006年01月27日

越前カニの有効利用

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かに殻を水田や畑にまくと作物が病気に強く、かつ収量も多くなるという農法が福井県には伝わっているとか。福井の土壌には固有のフクイネンシスという土壌細菌があると福井工大の草桶秀夫教授が発見。この細菌でカニ殻が分解されると根が丈夫になるそうです。このフクイネンシスは世界的にも珍しい細菌で、これから越前ガニの殻が農薬や健康食品に応用が期待されているとの報道が目につきました。草桶教授は蛍(ホタル)の研究で有名で、随分以前そのバイオ研究室へおじゃまし、いろいろお話を伺ったことがあります。無菌室での体験を思いだしながら、あらためてすごい方だと。

それにしても、昔から伝わっているやり方が科学によってその優秀が認められていくことはいいことです。特に農薬にとって変わるものとして自然な素材が増えていくことは時代のニーズに合っているような気がします。鯨なども昔は遺棄するところひとつなく利用したと聞いています。このような生き物を食とする時、無駄なく利用することは、その生き物の生命をとても大事に考えている証拠だと思います。今は害とされている越前クラゲの有効利用も夢ではないような気がして、明るい気持ちになれました。福井は今、フクイネンシスに期待ですね。

投稿者 sensyu : 13:23 | コメント (2) | トラックバック

2006年01月21日

福井県立図書館

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久ぶりに福井県立図書館へ行く。玄関先「白川文字学」の部屋が目につく。甲骨文字のレプリカ展示もあって係りの方といろいろお話を。白川静先生は福井県民賞受賞、また福井市名誉市民でもあると初めて知る。明治43年お生まれで現在も活躍中というから驚く。「さい」の発見で「口」の漢字問題に終止符を打たれたそうである。漢字の起源を、まざまざと感じさせる甲骨文字を見ていると、太古の人々の生活が浮かんできそう。

図書館の奥にゆったりと椅子が並べてある。大きな半透明スクリーンを通して雪景色が見れる場所に座る。近くの本棚にネット関係の本がたくさんあった。最近興味のある”PHP”とか”XML”とかの本をパラパラ見ていたら、先ほどの甲骨文字を思い出して不思議な気持ちになる。最古のものと最新のものとの間に、時間を感じさせない不思議な場所。

写真は3枚を合わせてみたが、うまくいかなかったのでそのままとした。苦心する姿が残るようで、かえっておもしろい。

投稿者 sensyu : 11:21 | コメント (0) | トラックバック